毎月第1金曜日(まれに第2金曜日になることもあります)は、米国雇用統計の発表の日。米国東部時間で午前8時半の発表時間まで、世界中の市場参加者は固唾を呑んでモニターを見守ります。結果によって、ありとあらゆるマーケットが上へ下への大騒ぎ。発表直後には瞬間で100ポイント200ポイント動くことも珍しくなく、デイトレーダーにとっては月に一度の書き入れ時。

ツイッターなどSNSもお祭り騒ぎとなります。米国雇用統計の発表に合わせて、実況中継型オンラインセミナーを毎月行っているFX会社も少なくありません。

米国雇用統計は米国労働省が毎月発表します。雇用に関する様々なデータが発表されますが、最も注目されるのは「非農業部門雇用者数」(Non-farm Payroll、略してNFP)。雇用統計というと真っ先に思い浮かぶのは失業率ですが、雇用市場の短期的な変動を見るには雇用の増減を見た方が手っ取り早いからです。

米国の景気が安定している時には、通常NFPは月に20万人以上増加します。逆に景気が低迷し、企業が人員整理に動くときには、NFPは時にマイナスになります。2008年の金融危機をきっかけとした景気後退期には、月に80万人もの雇用が失われた時期もありました。このNFPが市場予想より多いか少ないかによって、世界中の市場参加者が一喜一憂するのです。また同時に発表される過去2か月分のNFPの修正値も考慮に入れなくてはなりません。

NFPが高い伸びを示した場合、米国金利は上昇し、ドルは買われるのが通常です。しかし、あらかじめ強い数字が予想されている場合には、それを先取りして相場が動いていることがほとんどです。強い数字も「織り込み済み」になっているというわけです。したがって、短期的な相場にとっては、NFPの絶対水準が強いか弱いかということ以上に、市場予想より多いか少ないかということがより重要になってきます。もちろんこれは雇用統計だけではなくどの指標に関してもいえることですが。

失業率とNFPのほかにも、男女別、年代別、人種別の雇用統計や平均労働時間、平均時給など様々なデータが発表されます。